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たが、評価として、漁業者が設備投資を行えるか否かを判断するための収益性の見極めと、漁業者にとって有用で開発効果の高いテーマヘの取り組みの必要性が指摘できる。
2−3−6 開発テーマの選定
ヒアリング調査の結果から、開発テーマの候補として、以下をリストアップした。
・コンブ漁場おける雑海藻駆除のための船舶、装置
・はえなわ漁業における漁具の準備・巻き取りの自動化装置
・定置網漁業における漁網に見合った船型
・ほたてけたびき網漁業における操業効率化のための船型、装置
・高鮮度保持機能(保冷装置または活魚槽)を有する船型
以上の各候補を、新造船建造意欲・投資体力、開発の効果・有用性、魚種別・漁業種類別の収益状況、を基準に優劣を評価した結果、本調査研究における開発テーマは、
・コンブ漁場おける雑海藻駆除のための船舶、装置
・ほたてけたひき網漁業における操業効率化のための船型、装置
の2テーマとした。
2−3−7 概要計画
「コンブ漁場おける雑海藻駆除のための船舶、装置」という開発テーマについては、ウォータージェットカッター工法による省力型双胴雑海藻駆除船を計画した。その特徴は、
?@動揺の少ない双胴船型とするとともに、除藻作業用の開口を中央部に設けることで舷側作業と比較して安全性の向上を図る。
?A高圧水を噴射するノズルユニットを工夫する。
?B除藻前及び除藻後を確認するために海中透視箱を開口後部に設置する。
?Cすべてのウインチは主機関駆動の油圧ポンプを動力源とすることとし、作業時の操船監視、すべてのウインチ操作は操舵室またはその後方で1名により行うこととする。
ということである。
また、「ほたてけたびき網漁業における操業効率化のための船型、装置」という開発テーマについては、操業コスト低減化を図ったほたてけたびき網漁船を計画した。その特徴は、
?@積載重量を18トンから30トンに増加させ、操業コストの削減を図るため、総トン数19トン型をもって計画し、船体重量の軽量化のためアルミ合金製とし、積載重量の増加を図り、推進軸系にV字型ドライブ減速装置を採用し、主機関の位置を従来より後方位置として、船艙の容積を増加させる。
?A船上作業における労力の低減を図るため、敷板の高さをハッチコーミングの高さと同一とすることで、船臆への生成員の投入を容易とし、また、甲板上舷側に雑物投棄用の”トイ”を設け、流水により雑物を舷外に投棄する構造とすることにより雑物投棄のための労力低減を図り、甲板を200?o程度“トイ”内側間に隆起させて、当該部の臆内深さを増加させることにより、生貝の艙内の隅々への押し込み作業の軽減を図る。
?B動揺の低減を図るため、幅広とするとともに、ビルジキールを設ける。
?C甲板上機関室囲壁を極力縮小し、甲板上の作業スペースを従来船に比較し増大させる。併せ

 

 

 

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